1919年 - 2001年

沢木欣一

さわききんいち

作風・特徴

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生涯・略歴

沢木 欣一(さわき きんいち、1919年〈大正8年〉10月6日 - 2001年〈平成13年〉11月5日 )は、富山県出身の俳人。「風」を主宰、戦後の社会性俳句を主唱した。妻は俳人の細見綾子。

代表句 (5件)

風津波して一湾の昏れ急ぐ
季語: 風津波 (autumn)
【現代語訳】激しい風津波が押し寄せるなか、入り江の全体があっという間に暗くなり、急き立てられるように日が暮れていく。\n【鑑賞】荒れ狂う海と、秋の日の短い「暮れ急ぐ」スピード感が一体となり、自然の脅威と寂寥感が美しく融合した一瞬を描いています。「一湾」という大きな視野を提示することで、荒涼とした景色の広がりが読者に強く伝わります。
闇に立つ佞武多かがやき消ゆるなし
季語: 佞武多 (autumn)
【現代語訳】漆黒の闇の中に屹立する佞武多は、鮮烈な輝きを放ち、その光彩は決して消えることがない。【鑑賞】闇と光の鋭い対比を通じて、佞武多が放つ不滅の生命力と造形の迫力を刻み込んだ一句です。祭りの山車という一時的な存在を超え、北国の人々の魂と祈りが宿る神話的な光として佞武多を捉えています。
ねぶた蝋こぼるる闇を跳ね狂ふ
季語: ねぶた蠟 (autumn)
【現代語訳】ねぶたの蝋燭から蝋が滴り落ちてくる夜の闇の中を、跳人たちが狂ったように跳ね踊っている。【鑑賞】祭りの最高潮の熱気を捉えた一句です。山車からこぼれ落ちる熱い蝋の生々しさと、漆黒の夜の闇の中で激しく乱舞する人々のエネルギーがぶつかり合い、初秋の夜の一瞬の爆発力が臨場感豊かに伝わってきます。
陸奥のねぶた流して闇あまる
季語: ねぶと流し (autumn)
【現代語訳】みちのくの海へねぶたを流し去ったあとには、ただ果てしない闇ばかりが取り残されている。 【鑑賞】「闇あまる」という措辞が鮮烈で、みちのくの夜の深さと広大さを感じさせます。絢爛たる光と熱気が去った後に広がる漆黒の闇に、東北の風土の厳しさと秋の訪れが力強く表現されています。
ねぶた流す暗き水脈あり津軽海
季語: ねぶた流す (autumn)
【現代語訳】ねぶたを流す津軽の暗い海に、一筋の水脈(船や灯籠が通った跡)が黒々と続いている。 【鑑賞】華やかで巨大なねぶたを飲み込んでしまう北の海の広大さと深さを、「暗き水脈」という的確な写生で捉えています。祭りの後の静寂と、津軽海峡の厳しく雄大な自然が際立つ力強い作品です。