苦参
autumn 生活

苦参

くらら

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### 意味・由来
「苦参(くらら)」は、日当たりのよい野原や川の土手に自生するマメ科の多年草です。その個性的な名前は、根をかじるとあまりの苦さに頭がクラクラ(眩暈)することに由来すると言われています。古くから生薬として漢方などで利用される一方、ウジ殺しなどの天然の殺虫剤としても生活に密着していました。秋になると、初夏に咲いた淡黄色の小さな花が細長いサヤ状の実を結び、茶色く枯れて独特の寂しげな風情を醸し出します。

### この季語で詠むコツ
苦参を詠む際は、その「苦さ」や「毒性」という隠された強烈な個性と、野生の草としての「地味で素朴な佇まい」とのギャップに注目すると良いでしょう。秋に実を結び、枯れゆく寂しげな姿を描写することで、季節の深まりや、生と死、自然の厳しさを表現するのに適しています。あえて荒れた土地や寂しい背景を配することで、この季語が持つ野生的な魅力が引き立ちます。

### 相性のいい言葉・取り合わせ
・「苦し」「渋し」「痺る」などの味覚・感覚に関する言葉
・「荒野」「土手」「廃道」「石ころ」などの野生を感じさせる場所
・「西日」「野分(のわき)」「乾く」といった、秋の寂しさや厳しさを表す言葉
・「薬」「根」「毒」など、実用的な背景を想起させる言葉

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苦参」の俳句例 (3件)

くらら咲くやいよいよ高き甲斐の空
飯田蛇笏【現代語訳】苦参(くらら)の花が咲き乱れている。見上げれば、甲斐(山梨県)の空がいよいよ高く、どこまでも澄み渡っていることだ。【鑑賞】地表に力強く自生するくららの花と、天高く広がる甲斐の秋の空とのダイナミックな対比が、自然の雄大さを感じさせる名句です。
くららの花こぼれて高き庵かな
水原秋桜子【現代語訳】くららの黄色い花がこぼれるように咲き、散っている。その視線の先には、小高い場所にぽつんと佇む庵が見えることだ。【鑑賞】野性味のあるくららの花と、俗世を離れた静かな庵の取り合わせが、一幅の東洋画のような静謐で美しい世界観を形作っています。
くららの実こぼれて久し土の上
野村泊月【現代語訳】苦参(くらら)の実がサヤからこぼれ落ちて、もうずいぶんと長い時間が経ったのだろう、ただ土の上に転がっている。【鑑賞】秋が深まり、役目を終えた実が土へ還っていく静かな時の流れを描いています。誰に気付かれることもない自然のありのままの営みに、深い哀愁が漂います。

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