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「雪婆(ゆきばんば)」は、豪雪地帯の伝承に現れる雪の妖怪、あるいは激しい吹雪や軒先に積もった雪の塊を老婆に見立てた冬の季語です。地域によっては「雪降り婆」などとも呼ばれ、吹雪の夜に現れて子供をさらったり凍えさせたりするという民話が残っています。美しく儚い「雪女」に比べ、雪婆には過酷な冬の厳しさ、荒ぶる自然への畏れ、そしてどこか土俗的でユーモラスな不気味さが漂っています。
単に雪の景色を描くだけでなく、民話的な物語性や冬の夜の底冷えする感覚を呼び起こすように詠むのがポイントです。風の吹きすさぶ音や戸を叩く音、あるいは暗闇の奥に潜む気配など、聴覚や触覚を意識して取り入れると、雪婆の不気味さや寒冷の凄みが際立ちます。少しユーモラスに擬人化して、愛嬌を持たせる詠み方も面白いでしょう。
雪婆の持つ土俗的な雰囲気を強める言葉と相性が抜群です。「戸口」「蔀(しとみ)」「囲炉裏」「軒」「提灯」「足音」「風の音」「山里」など、昔ながらの日本の暮らしや自然を感じさせる名詞と合わせることで、雪国の厳しい冬の情緒が鮮やかに立ち上がります。
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