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大水薙鳥(おおみずなぎどり)は、夏の外洋をダイナミックに飛び交う海鳥で、夏の季語です。翼を広げると一メートル以上にもなり、海面すれすれを波を薙ぐように軽快に滑空する姿から「水薙鳥」の名がつけられました。初夏から夏にかけて日本近海の孤島や断崖に集団で渡ってきて繁殖し、昼は広い海で魚を捕らえ、日没とともに巣へ戻る習性があります。雄大な夏の海景と力強い生命力を象徴する鳥です。
大水薙鳥の魅力は、何といっても海面ぎりぎりを滑空するスピード感と、荒々しいまでの雄大さにあります。陸地の鳥とは異なり、水平線や押し寄せる白波、遠い離島など、スケールの大きな海の景色とともに描くと季語の個性が際立ちます。日中のまばゆい日差しの中を一直線に飛ぶ姿だけでなく、夕暮れどきに群れをなして繁殖地の島へ戻っていく、どこか哀愁と神秘性を帯びた情景に着目するのも味わい深い一句になります。
・水平線、波頭、沖合、孤島(広大な海原を感じさせる無季の言葉) ・航跡、白帆、潮煙(海の旅や船を思わせる言葉) ・南風(みなみ)、夏潮、炎天、青嵐(夏の外洋の厳しさや力強さを強調する夏の季語)