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「蒙古風(もうこかぜ)」は、春に中国大陸の内陸部、蒙古(モンゴル)地方から日本列島へと吹き寄せる、乾燥した強い風のことです。大陸のゴビ砂漠などの細かな砂埃を巻き上げて吹き渡るため、空が黄白色に濁り、日差しを鈍らせます。気象現象としての「黄砂」や、砂塵が降る「霾(つちふる)」と深い関わりがあり、遠い異国の大陸から押し寄せる壮大で荒々しい自然の気配を感じさせる春の季語です。
春風のような暖かく穏やかな風とは対照的に、乾いた激しさや埃っぽさを表現するのがポイントです。目に見える情景としては、遠くの景色がぼんやりと遮られる様子や、窓の桟にうっすらと積もる黄色い砂などを捉えると実感が伝わります。また、肌に当たるざらついた感触や喉の渇きといった五感の感覚を取り入れると、風の生々しさが際立ちます。春の憂鬱さや、遠大な大陸への旅情を重ねて詠むのも魅力的です。
・砂、窓ガラス、街並み、洗濯物(季節のない日常語) ・かすむ、乾く、遮る、触れる(動きや触感を表す言葉) ・霞、野山、朧、春空(同じ春の季語・情景)