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「霞(かすみ)」は本来、春の訪れとともに大気が潤み、遠くの景色がぼんやりと霞んで見える情景を指す春の代表的な季語です。しかし、冬の張り詰めた空気の中にあっても、放射冷却や細かな水蒸気、塵などによって遠景が白く煙って見えることがあります。これを春の霞と区別して「冬霞(ふゆがすみ)」と呼び、冬の季語として扱います。春の霞が持つ柔らかさやのどけさとは異なり、肌を刺すような冷気や研ぎ澄まされた静寂、冬特有の寒々とした孤独感を帯びているのが大きな特徴です。
冬霞を詠む際は、春霞との違いである「冷たさ」「静けさ」「寂寥感」をしっかりと描き出すことが大切です。暖かさや華やかさを連想させる言葉は避け、冬の厳しさや乾いた質感を意識するとよいでしょう。遠くの山や枯れ木、工場の煙突などが寒さの中に沈み、ぼんやりと輪郭を失っていく様子を丁寧に写生すると、冬霞ならではの情調が際立ちます。また、家々のほのかな明かりや夕暮れの淡い光と対比させることで、寒冷な空気感をより強調することができます。
・自然の景(遠山、枯野、枯木、水鳥、鉛色の空) ・人工物や暮らし(煙突、鉄塔、工場の灯、家並み、踏切) ・時間や光の描写(夕暮れ、黄昏、寒暁、うす日)