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皆吉爽雨

みなよしそうう

作風・特徴

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代表句 (6件)

飯桐の実のくれなゐをこぼしけり
季語: 飯桐の実 (autumn)
【現代語訳】飯桐の実が、その鮮やかな赤色を惜しげもなくこぼし落としていることだ。\n【鑑賞】房状にたわわに実った飯桐の赤い実が、晩秋の風や熟れきった重みによって、ぽろぽろと零れ落ちる瞬間を鮮明に捉えています。「くれなゐをこぼす」という表現により、単なる落果ではなく、秋の色彩そのものが地上へ溢れ出していくかのような艶やかさと詩情を感じさせます。
日あたりのよきところより秋手入
季語: 秋手入れ (autumn)
【現代語訳】あたたかな日の光がよく当たっている場所から、庭の秋の手入れを始めている。【鑑賞】秋の穏やかな日差しを感じながら、明るく暖かい場所から手入れを始める様子を素直に捉えた一句です。作業の段取りの自然さと、秋の日の心地よい温もりが伝わってきます。
秋の虹すぐ消えさうな明るさで
季語: 秋の虹 (autumn)
【現代語訳】秋の虹が空にかかっているが、今にも消えてしまいそうな淡く繊細な明るさであることよ。 【鑑賞】「すぐ消えさうな明るさ」という措辞が、夏の虹とは異なる秋の虹の本質を的確に言い表しています。明るいのにどこか頼りなく、見つめているそばから消えてしまいそうな風情が、秋の哀愁を際立たせています。
雄刈萱ゆれ合ふのみの風ならず
季語: 雄刈萱 (autumn)
【現代語訳】吹いてくる風は、雄刈萱同士がただ擦れ合って揺れる程度の穏やかなものではない。 【鑑賞】雄刈萱が激しく揺さぶられる様子から、吹き抜ける秋風の強さや冷たさを捉えています。剛毛に覆われた太い茎がぶつかり合う音や感触まで想像させ、秋の深まりとともに増す自然の厳しさを感じさせる一句です。
たぶの實の落ちて鎮まる海蔵寺
季語: たぶの実 (autumn)
【現代語訳】タブノキの実が音を立てて落ち、その後いっそう静けさが深まる海蔵寺であることよ。 【鑑賞】鎌倉の名刹・海蔵寺の秋の風情を詠んだ一句です。ポトリと実が落ちたその一瞬の響きが、かえって寺の境内の深い静寂を際立たせています。「落ちて鎮まる」という措辞に、静から動、そして再び静へと移ろう禅寺の澄んだ時間が凝縮されています。
葉月きていよいよ青き山の襞
季語: 葉月 (autumn)
【現代語訳】葉月の季節が訪れて、山々の重なり合う陰影がますます鮮やかな青さを深めている。【鑑賞】秋に入って大気が澄みわたり、遠くの山のひだ(谷筋の凹凸)がくっきりと青く際立って見える様子を描いています。「いよいよ青き」という率直な把握の中に、夏の湿った光から秋の澄明な光へと空気が一変した感動が美しく表現されています。