1899年 - 1972年

三橋鷹女

三橋鷹女

作風・特徴

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生涯・略歴

三橋 鷹女(みつはし たかじょ、1899年12月24日 - 1972年4月7日)は、千葉県出身の俳人。本名・たか子。幼名・文子。

代表句 (4件)

忍冬のこの色欲しや唇に
物思ふ足の先より炬燵欲し
季語: 炬燵欲し (autumn)
【現代語訳】あれこれと考えごとをしているうちに、足の先からじんわりと冷えてきて、ああ、早く炬燵が欲しいなとしみじみ思うことだ。 【鑑賞】「物思う」という精神的な深い営みと、足先から冷えていくという即物的な身体感覚が、「炬燵欲し」という切実な望みへと結びついています。ただ寒いというだけでなく、心身ともに温もりを求めている女性の繊細な心理が実に見事に表現されている名句です。
夢見草うつつの夢に乱れけり
季語: 夢見草 (spring)
【現代語訳】美しく咲く桜(夢見草)を見つめていると、起きている現実のなかで見る夢の境界が曖昧になり、私の心はかき乱れてしまうことよ。【鑑賞】鷹女らしい情熱的でどこか妖艶な一句です。「夢見草」という季語の持つ「夢」と、現実を意味する「うつつ」を巧みに対比させ、桜の美しさに魂を吸い寄せられるかのような陶酔感を表現しています。
燕去月空を忘るる日もあらむ
季語: 燕去月 (autumn)
【現代語訳】ツバメたちが旅立っていく月。今はあんなに見上げているこの空を、やがて忘れ果ててしまう日も訪れるのだろうか。 【鑑賞】渡り去るツバメを見送る視線から、自らの心象風景へと深く沈潜していく鷹女らしい鋭い感性の一句です。高澄む秋空への憧憬と、命のはかなさや忘却の孤独を同時に孕んでいます。