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「俎始(まないたはじめ)」は、新年を迎えて初めてまな板を使い、食材を包丁で切る行事やその日のことを指す新年の季語です。一般的には正月二日に行われることが多く、古くはまな板に吉方を向けて飾り、清めを行ってから祝魚や祝いの野菜に刃を入れ、一年の家族の無病息災と台所の無事を祈願しました。「庖丁始(ほうちょうはじめ)」ともほぼ同義で、おせち料理などの祝膳が一段落し、新たな日常の煮炊きへと向かう節目の儀礼的な意味合いも持ち合わせています。
この季語を詠む際は、「音」「光」「匂い」といった五感を意識するのが効果的です。正月特有の静けさの中に響く「トントン」という小気味よい刃音、研ぎ澄まされた刃先の輝き、あるいは切ったばかりの大根や葱の瑞々しい香りを捉えると、新春の清々しい実感が立ち上がります。単に料理をすることだけでなく、家事や日常の始まりに対する気持ちの引き締まりや、家族の健康を願う温かな思いを背景に滲ませると深みのある句になります。
・食材の描写:大根、人参、祝魚、若水、根菜 ・音や光の描写:刃音(はをと)、研ぎ澄ます、初日、朝光、乾く、響く ・情景や心理:台所、母の手、朝餉(あさげ)、引き締まる、平穏