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「寒八目(かんやつめ)」とは、一年で最も寒さが厳しい「寒」の時期に獲れるヤツメウナギのことです。ヤツメウナギは目の後ろに七つの鰓穴(えらあな)があり、本来の目と合わせて八つの目があるように見えることからその名がつきました。特に厳冬期のヤツメウナギは身に脂がのり、ビタミンなどの栄養が極めて豊富であるため、古くから滋養強壮や夜盲症などの眼病予防の特効薬として重宝されてきました。川の冷たい水に耐えて漁をする情景や、冬を生き抜く庶民の知恵と活力を感じさせる、生活感あふれる冬の季語です。
寒八目は、見た目の独特さや生態の面白さだけでなく、「食」や「健康」「冬の暮らし」に深く結びついた季語です。蒲焼きにして香ばしく立ち上る煙や、熱い燗酒と合わせる晩酌のひととき、あるいは風邪や疲れを吹き飛ばそうとする生活者としての実感を描くと共感を呼びやすくなります。また、極寒の川で網や簗(やな)を用いて行われる漁の厳しさ、川霧や氷混じりの冷たい水といった寒冷地の厳しい風土に焦点を当てるのも効果的です。独特の生命力や薬効に対する感謝の気持ちを詠み込むと、温かみのある句に仕上がります。
・食や薬効に関わる言葉:蒲焼、煙、串、脂、熱燗、滋養、目薬、箸 ・冬の風情や寒さを表す言葉:川霧、瀬音、寒夜、雪明かり、炭火 ・生活や人情を表す言葉:老い、病後、父の背、長寿、湯気、暖簾