季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。
十能(じゅうのう)とは、燃えている炭火や灰をすくって運ぶための、長い柄がついた小さな鉄製のスコップのような道具です。「十の用途を兼ね備える」「十の働きをする万能の器」という意味からその名がついたと伝えられています。かつて日本の冬の暮らしでは、竈や囲炉裏で熾した炭火を火鉢や炬燵へと移し替える作業が日常茶飯事であり、十能は家庭の暖を取り仕切る大切な生活道具として冬の季語に分類されています。
現代では目にする機会が減った道具ですが、十能に乗せられた炭火の「赤さ」や「温もり」、運ぶときの「静けさ」や「慎重さ」に焦点を当てると詩情が生まれます。火を運ぶ人の足音、冷え切った廊下に落ちるほのかな火影、炭がパチッと爆ぜる音など、視覚や聴覚を効果的に使うと、古き良き日本の冬の情景が鮮やかに立ち上がります。
・火や道具の状態を表す言葉:炭火、熾火(おきび)、火影、灰、黒金(くろがね) ・場所や動作を表す言葉:土間、廊下、火鉢、運ぶ、移す、移し替える ・季節感を強める言葉:寒夜、霜、朝の息