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「しのり鴨(シノリガモ)」は、冬に北の海から本州などの沿岸へ渡ってくる海鴨の一種で、冬の季語です。岩礁が多く波の荒い外洋を特に好むたくましい鳥です。名前の由来は、夜明けの空の茜色や薄明るさを思わせる複雑で美しい斑紋から「東雲(しののめ)」が転じたという説があります。雄は青黒い体に白と赤褐色の鮮烈な模様を持ち、寒々とした冬の海でひときわ目を引く美しい存在です。
池や穏やかな内湾に浮かぶ一般的な鴨と異なり、激しく波が砕け散る岩礁地帯で波間に潜水して貝などを捕食する姿が特徴です。そのため、北国の厳しい海の荒々しさや波飛沫、冷たい潮風とともに描くと、生き生きとした野性味が際立ちます。また、灰色の冬の波濤と、鳥自体の鮮やかで幾何学的な色模様との鮮烈な対比に着目して詠むのも効果的です。
・荒磯(あらいそ)、怒濤(どとう)、岩礁(がんしょう) ・波飛沫(なみしぶき)、潮煙(しおけむり)、寒潮(かんちょう) ・潜く(かづく)、立ち泳ぐ、巌(いわお) ・陸奥(みちのく)、北原海(ほっかい)、外海(そとうみ)