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深山樒(みやましきみ)はミカン科の常緑低木で、冬に艶やかな赤い球形の実を結びます。仏事に用いられるシキミ(マツブサ科)に葉の姿が似ており、山奥に生えることからその名が付きましたが、植物学上は全く別の仲間です。有毒植物でもありますが、冬枯れの木々が葉を落とした山中において、濃い緑の葉と鮮烈な赤い実はひときわ強い存在感を放ちます。厳しい寒さの中で命の輝きを感じさせることから、冬の季語として古くから詠まれてきました。
深山樒を詠む際は、冬の深山の静寂や荒涼とした情景との対比を意識するのがコツです。単に実が赤いという視覚情報だけでなく、人を寄せ付けない山奥の冷気、吹き寄せる木枯らし、あるいはうっすらと積もる雪といった背景を取り合わせることで、孤高に自生する凛とした美しさが際立ちます。静けさの中に潜む確かな生命力や、深山の冷たい空気を五感で捉えて表現すると深みが出ます。
「岩肌」「雪明かり」「深山道」「木枯らし」「渓流」「日ざし」「静寂」など、山の冬の険しさや寒冷な自然の厳けさを感じさせる言葉とよく合います。