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「熊手」は、落ち葉などをかき集める竹製の道具ですが、俳句で冬の季語として用いる場合は、十一月の「酉の市」などで授与される縁起物の熊手を指すのが一般的です。「福や運をかき集める」「金銀をかき寄せる」という願いを込め、おかめの面、千両箱、米俵、鯛、小判などの華やかな飾り物が所狭しと付けられています。商売繁盛や家内安全を祈る庶民の活気あふれる信仰から生まれた、初冬の代表的な風物詩です。
熊手を詠む際は、酉の市の熱気や威勢のいい空気感、あるいは買い求めた後の帰り道の余韻を描くのが効果的です。露店が立ち並ぶ境内での威勢のいい手締め(三本締め)の掛け声、夜の提灯に照らされるきらびやかな飾り、寒風の中を誇らしげに担いで帰る人々の姿など、視覚や聴覚を刺激する具体的な情景を切り取りましょう。冬の寒さと、熊手がもたらす心の温もりや明るい高揚感との対比を意識すると、生き生きとした句になります。
・手締め、三本締め、手拍子(市ならではのリズムと活気) ・提灯、灯影(夜の境内を彩る明かりの描写) ・担ぐ、かざす、胸に抱く(熊手を大切に持ち帰る動作) ・人波、雑踏、夜風、境内の砂(冬の冷たい空気や人々の熱気)