1881年 - ?

鈴木花蓑

すずきはなみの

作風・特徴

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生涯・略歴

鈴木花蓑(すずき はなみの、1881年(明治14年)8月15日または12月1日 - 1942年(昭和18年)11月6日)は、愛知県出身の俳人、大審院書記。本名は鈴木喜一郎(きいちろう)。

代表句 (6件)

銀浪のくだけて月をくだきけり
季語: 銀浪 (autumn)
【現代語訳】押し寄せる銀色の波が砕け散る時、その水面に映っていた美しい月影も一緒に砕け散ってしまったことよ。【鑑賞】月光に照らされて銀色に輝く波「銀浪」のダイナミックな動きを描いた句です。波が砕けるとともに月も砕けるという、視覚的な美しさと一瞬の儚さが、力強いリズムで表現されています。
貴船祭水の匂ひの神輿かな
季語: 貴船祭 (autumn)
【現代語訳】貴船祭で担がれる神輿からは、まるで清らかな水の匂いが漂ってくるかのようである。【鑑賞】神輿という視覚的な対象に対して、「水の匂い」という嗅覚的なアプローチを用いた名句です。水源の神を祀る貴船神社の由緒と、川の清涼な空気感が、この短い一句に見事に凝縮されています。
草雲雀鳴くや昼より夜の雨
季語: 草雲雀 (autumn)
【現代語訳】草雲雀が鳴き続けている。昼間から降り続く雨が、夜の雨へと移り変わる中でも。 【鑑賞】昼から夜へと降り続く秋の雨の情景に、絶え間なく鳴く草雲雀の声を重ねた一句です。雨音にかき消されそうなほど小さな草雲雀の声が、湿り気を帯びた空気の中に澄んで響き、秋の夜の寂寥感としみじみとした情緒を深く伝えています。
浅漬の大根青き葉を添へて
季語: 浅漬大根 (autumn)
【現代語訳】浅漬けにした大根の白い身に、鮮やかな青い葉が彩りとして添えられている。 【鑑賞】収穫したばかりの新大根ならではの、新鮮な青葉を一緒に漬け込んだ家庭的なひと皿を丁寧に写生しています。大根の清潔な白と葉の鮮やかな青のコントラストが美しく、秋の味覚の生き生きとした生命感を伝えています。
荻吹くやひとすぢ通る水の音
季語: 荻吹く (autumn)
【現代語訳】荻の葉を秋風が吹き鳴らすなか、その音のすき間を一筋の水の流れる音が澄んで聞こえてくる。 【鑑賞】風にざわめく荻の擦れ合う音と、かすかに流れる水のせせらぎという二つの聴覚的要素を鮮やかに切り取っています。広がる風の音の中に「ひとすぢ」の清冽な水音が浮き彫りになり、秋の澄んだ空気感が見事に表現されています。
十夜柿くづれて袖をよごしけり
季語: 十夜柿 (autumn)
【現代語訳】熟しきった十夜柿がぽろりと崩れてしまい、着物の袖を汚してしまった。 【鑑賞】十夜柿特有の柔らかく熟れた質感が、袖を汚してしまうという日常の些細なハプニングを通してありありと伝わってきます。困惑しつつもどこか長閑で微笑ましい、お十夜の参詣風景が目に浮かぶ名句です。