1662年 - 1740年

志太野坡

しだやば

作風・特徴

芭蕉の「かるみ」を重んじた軽妙で洒脱な句風。飾らない平易な言葉で日常をさらりと詠む実直な詠みぶりが蕉風正統の精神を体現した。

生涯・略歴

江戸前・中期の俳人。松尾芭蕉の高弟で、芭蕉十哲の一人に数えられることもある。江戸を中心に活動し、芭蕉の精神を忠実に守った実直な俳風で知られた。芭蕉の晩年期に側近として仕え、師の最晩年の句会にも参加した。連句の修練に秀で、多くの門弟を指導した。蕉風が形骸化していく中で、原点回帰を唱えながら俳諧の純粋さを保とうとした人物として評価されている。

代表句 (2件)

はき掃除 してから椿 散りにけり
豊浦の祭見過す汐路かな
季語: 豊浦祭 (autumn)
【現代語訳】船に乗って関門海峡を進んでいると、ちょうど豊浦の祭礼の日であったが、立ち寄ることもなくその潮路を船で見過ごして通り過ぎてゆくことだ。 【鑑賞】芭蕉門下の野坡による句。旅の途次、海の上から陸地の祭に思いを馳せつつも、速い潮流に乗って通り過ぎてゆく旅人の哀愁と旅情が、豊浦祭の華やぎとの対比で見事に描き出されています。