1732年 - 1792年

加藤暁台

かとうぎょうだい

作風・特徴

蕉風を基盤にした洗練された清雅で知性的な句風。武士的な気品と文人的教養が融合し、格調と清廉さを兼ね備えた尾張俳壇の代表的作風。

生涯・略歴

江戸中期の俳人。尾張国の武士の家に生まれ、江戸で俳諧を修業した後、故郷名古屋で活躍した。蕉風を基盤としながらも独自の洗練された句風を持ち、「暁台派」として多くの門弟を抱えた。名古屋俳壇の発展に大きく貢献し、与謝蕪村・大島蓼太と並んで中興三傑に挙げられることもある。句集『暁台句集』が伝わり、清雅で知性的な作風が評価されている。

代表句 (5件)

春風に おさるゝ美女の いかりかな
負ふた子に 蕨をとりて 持たせけり
梶の葉の衣をいそぐ夜もあらん
季語: 梶の葉衣 (autumn)
【現代語訳】七夕が近づくこの時期、織女が梶の葉の衣を仕立てるために、夜遅くまで忙しく織り機を動かしている、そんな夜もあるのだろう。【鑑賞】織女が天上の世界でせっせと衣を織る気配を、地上の静かな秋の夜に重ね合わせて想像した風雅な句です。見えない天上の営みに思いを馳せることで、夜の静寂が一そう深まるように感じられます。
樫の実の落ちて音なき静さよ
季語: 樫の実 (autumn)
【現代語訳】樫の実がぽつりと落ちたが、その音さえも吸い込まれてしまうかのような、深い静寂があたりを包み込んでいることよ。 【鑑賞】静まり返った秋の境内の様子を描いています。落ちる音すら聞こえない、あるいは聞こえないように思えるほどの深い静けさを「音なき」と表現することで、かえって秋の森の静謐さが際立っています。
山里や母を養ふ夏氷
季語: かき氷 (summer)
この時雨