初心者向け 俳句の作り方|季語・5-7-5・切れ字の基本
はじめての俳句サポーター 凛
執筆者


「俳句は難しそう」と感じる方でも、基本の形を押さえれば今日から一句を作り始められます。俳句の基本は、季語、5-7-5の音数、そして言い切りや余韻を生む工夫です。この記事では、俳句をこれから始める方に向けて、最初の一句を作るために必要なポイントを順番に整理しながら、やさしく解説します。
執筆:俳句びと編集部
※凛は、記事内で初心者向けの解説を案内するキャラクターです。本文は俳句びと編集部が作成しています。
※本記事は公開時点で確認可能な俳句の基礎情報をもとに、初心者向けに構成しています。
この記事でわかること
- ✓ 俳句の基本ルール(季語・5-7-5・切れ字)
- ✓ 季語の選び方と歳時記の使い方
- ✓ 5-7-5の音数の数え方
- ✓ 初心者がつまずきやすい失敗例と改善の考え方
- ✓ 作った句を記録・投稿する方法
目次
1. 俳句とは? 17音に宿る日本の詩
俳句は、5・7・5の17音を基本形とする短い詩です。もともとは俳諧の連歌の発句が独立したものとして発展してきました。
有名な句として、松尾芭蕉の「古池や 蛙飛びこむ 水の音」があります。
古池や 蛙飛びこむ 水の音
――松尾芭蕉この句では、「古池や」で一度流れが切れ、そこから先の「蛙飛びこむ 水の音」が強く印象づけられます。俳句の魅力は、短さの中に情景や余韻を込められることにあります。
伝統的な俳句では、季節を表す季語を入れ、言葉で説明しすぎず、読み手に想像の余地を残すことが大切にされています。
難しく考えなくて大丈夫
俳句は特別な出来事だけを詠むものではありません。
- 朝の澄んだ空気
- 帰り道に吹く風
- 湯気の立つ温かい飲み物
- 窓に当たる雨の音
「今見えたもの」「今聞こえたもの」から始めるのが、初心者には取り組みやすい方法です。
2. 季語とは? 歳時記の使い方と月ごとのリスト
季語とは何か
季語は、季節を表す言葉です。伝統的な俳句では、季語を1つ入れる「有季定型」が基本とされます。初心者はまず、この形から始めると、句に季節感が出しやすくなります。(参考:日本俳句研究会)
季語は、ただ季節を示すだけではありません。たとえば「桜」と聞けば、春の景色だけでなく、出会いや別れ、花見、散り際の美しさなど、さまざまな連想が生まれます。俳句では、その広がりを短い言葉に託していきます。
歳時記とは
季語を調べるときに役立つのが歳時記です。歳時記には、季語の意味、季節の分類、関連する例句などがまとめられています。
💡 ヒント
初心者は、まず紙の歳時記でも、読みやすい季語サイトでもかまいません。季語を眺めながら「今の自分に近い言葉」を選ぶと、句を作りやすくなります。
新年は独立した区分
俳句の季語は、春・夏・秋・冬だけでなく、「新年」を独立した区分として扱うのが一般的です。実際に季語一覧でも、春夏秋冬とは別に「暮・新年」の分類が設けられています。(参考:季語と歳時記の会)
季節ごとの代表的な季語
季重なりはどう考えるべきか
一句の中に季語が二つ以上入ることを「季重なり」といいます。
季重なりへの考え方
- ・ 入門では「一句一季(季語は一つ)」を意識することが基本です。
- ・ 必ずしも絶対NGではなく、ケースバイケースで認められることもあります。
- ・ 初心者のうちは季語を一つに絞るほうが、句の中心がぶれにくく、情景が伝わりやすくなります。
まずは一つに絞る練習をすることで、言葉の選び方がより研ぎ澄まされていきます。
3. 5-7-5の数え方をマスターする
音数の数え方(基本ルール)
俳句では、見た目の「文字数」ではなく、声に出したときの「音数(おとかず)」で数えます。
- ・基本:1文字で1音
- ・小さい「ゃ・ゅ・ょ」:前の文字と合わせて1音
- ・小さい「っ」:1音
- ・「ん」:1音
- ・伸ばす音「ー」:1音
具体例でチェック
きんぎょ → き・ん・ぎょ = 3音
ばった → ば・っ・た = 3音
ぎょうずい → ぎょ・う・ず・い = 4音
音数を確認するときのコツ
音数が合っているか迷ったときは、声に出してゆっくり読んでみてください。耳で聞くと、言葉の引っかかりに気づきやすくなります。
初心者向けの考え方
最初からぴったり5-7-5にしようとすると、言葉が不自然になることがあります。まずは言いたい情景を書き出し、そのあとで余分な言葉を削ったり、言い換えたりして音数を整えるほうが作りやすいです。
4. 切れ字の役割と使い方
切れ字は、俳句の流れに区切りを作り、読み手に余韻や想像の余地を生むための言葉です。現代俳句では、主に「や」「かな」「けり」が使われます。
代表的な切れ字
・や:上五で使われることが多く、呼びかけや詠嘆の響きを持つ
・かな:末尾で使われることが多く、しみじみとした余韻を生む
・けり:発見や感慨、強い言い切りの調子を与えることがある
切れ字の効果
切れ字の役目は、単に古風な言い回しを足すことではありません。読者の中に一拍おいて、情景を広げることにあります。
初心者はどう使えばいいか
切れ字は必ず入れなければならないものではありませんが、俳句らしい余韻を作るうえで役立ちます。
はじめて使うなら、まずは「〇〇や」の形から試すと、区切りの感覚をつかみやすくなります。
5. ステップバイステップ:最初の一句を作ろう
ここからは、初心者が一句を作るときの流れを、できるだけシンプルに整理していきます。
初心者のための一句作りの流れ
1. 見えたもの・聞こえたものをメモする 感想ではなく、目に入ったものを短くメモします。(例:窓に雨粒、駅のホームの風、湯のみの湯気)
2. 季語を1つ選ぶ その場面に合いそうな季語を1つ選びます。身近な言葉から選ぶのがコツです。
3. 感情を言いすぎない 「うれしい」「きれい」などの感情語をそのまま書くと説明的になります。その気持ちがにじむ光景を置くほうが余韻が出やすくなります。
4. 5-7-5に近づける 完璧を目指さず、まずは書き出し、後から不要な言葉を削ったり言い換えたりして調整します。
5. 声に出して読む 最後に、作った句を声に出して読んでみます。読みづらい場所は、音数や並びに無理があるサインです。
3分で作るミニワーク
はじめての一句は、次の型に当てはめるとスムーズです。
【型1】季語 + 見えたもの + 動き
例:春雨や 傘の先から しずく落つ
【型2】季語 + 音 + 気づき
例:麦茶かな 氷のひびく 昼下がり
【型3】季語 + 場所 + ひと動作
例:秋風や 改札抜ける 足早に
一句できたら、まずはノートやアプリに記録してみましょう。「縦書きで残したい」「ほかの人の句も読んでみたい」と思ったら、俳句専用サービスを活用するのもおすすめです。
⬇️おすすめの俳句専用サービス⬇️
6. 初心者向けの作句例5選と失敗しやすい例
作句の見本と心得
冬の朝 改札抜ける 息白し
「寒い」と書かず、白い息で冬を表現。説明を減らし、情景を見せることで余韻が生まれます。
|
❌ 失敗例 春の花 咲いてきれいで うれしいな 「きれい」「うれしい」という感想が説明になっています。 |
⭕ 改善例 花びらや 足の裏まで ついてくる 感情を直接言わず、場面だけを置くことで読み手に想像を委ねます。 |
麦茶かな 氷の溶ける 音がして
夏らしい飲み物と、静かな音の組み合わせ。日常の一瞬から俳句は作れます。
紅葉や スマホを向けて また歩く
伝統的な季語と現代の行動を調和。身近な生活も、季語があることで句としてまとまります。
冷え込みや 猫が丸まる 膝の上
説明しすぎず、情景だけを置いた句。読み手によって情景が広がりやすい形です。
⚠️ 初心者のつまずきポイント
俳句作りで多くの人が立ち止まるのは、この3点です。
- ● 感情を言いすぎてしまう
- ● 季語を入れすぎてしまう
- ● 音数を文字数で数えてしまう
うまくまとまらない時の見直し順序
- 季語は1つか?
- 感情を説明しすぎていないか?
- 声に出して読んで違和感がないか?
7. 作った句を記録・投稿する方法
一句を記録して、楽しさを育む
俳句は、詠んで終わりにするよりも、「記録して見返す」ことで、自分だけの景色が積み重なり、より上達しやすくなります。まずは手帳やスマホのメモなど、気負わない方法から始めてみましょう。
俳句をもっと楽しむために
「縦書きで風情を残したい」「他の人の句と出会いたい」「反応をもらいながら続けたい」――そんなふうに感じたら、俳句専用の投稿サービスを活用するのもおすすめです。
おすすめの投稿先:「俳句びと」
「俳句びと」では、俳句本来の美しさを引き立てる縦書き表示をはじめ、いいねによる交流や月間ランキングなど、無理なく楽しみながら続けられる仕組みが充実しています。
※投稿サービスを選ぶ際は、使いやすさや見返しやすさを基準に、ご自身が心地よく続けられる場所を選んでみてくださいね。
8. もっとうまくなるための3つのコツ
俳句上達のための三つの心得
コツ1:毎日ひとつ、素材を留める
毎日句を完成させる必要はありません。季節の移ろいや小さな気づきを言葉で拾う習慣が大切です。
「風が強い」→ 自転車のかごのレシートが揺れた
「暑い」→ 氷がすぐ小さくなった
コツ2:好きな句を書き写してみる
上達の近道は、良い句に触れること。芭蕉、蕪村、一茶、子規など、心に響く俳人の句を書き写すと、言葉のリズムや余白の作り方が自然と身についてきます。
コツ3:説明せず、情景を置く
「悲しい」「きれい」と一言で片付けず、その気持ちがにじむ光景を探してみましょう。説明を省くことで句に余白が生まれ、読み手の想像力が膨らみます。
9. よくある質問(FAQ)
よくある質問
Q1. 俳句と川柳の違いは何ですか?
一般に、俳句は「季語や季節感」を重んじ、川柳は「人間模様や社会風刺」を題材にすることが多いとされます。ただし、その境界は厳密なものではありません。
Q2. 季語は必ず入れなければいけませんか?
伝統的な俳句では「有季定型(季語を入れる形)」が基本です。初心者はまずこの形から始めると、俳句らしさをつかみやすくなります。
Q3. 歳時記はどれを使えばいいですか?
紙の歳時記でも、季語検索サイトでもかまいません。季語の意味だけでなく、どの季節に属するかを確認できるものを選びましょう。
Q4. カタカナ語や現代語は使っていいですか?
使ってかまいません。現代の生活を詠むことは自然なことです。ただし、季語との相性やリズムが不自然にならないかは確認してみるのがコツです。
Q5. 句会にはどうやって参加すればいいですか?
地域の公民館講座や文化講座、俳句結社、オンライン句会などがあります。最初は、見学や単発参加が可能な場を選ぶと安心です。
Q6. 音数が合わないときはどうすればいいですか?
文字数ではなく「音数」で数え直してみてください。小さい「ゃ・ゅ・ょ」は前と合わせて1音、「っ」「ん」「ー」はそれぞれ1音として数えます。
10. まとめ:今日から始める俳句の3ステップ
俳句を始めるとき、難しい理論をすべて覚える必要はありません。
まずは、この3つを意識するだけで十分です。
一つメモする
一つ選ぶ
読んでみる
俳句は、短い言葉の中に季節や気分を映す表現です。
正解を急ぐより、まずは一句作ってみることが何よりも大切です。書き留めた句は、ノートでもスマホでも、あなたが続けやすい形で大切に残していきましょう。
縦書きで記録したい方、ほかの人の句も読んでみたい方は、
俳句専用サービスを活用して、記録を深めてみませんか?

